日本で人気の動画カテゴリは? YouTube Rewind の人気動画を日米比較

アメリカのトレンドが数年遅れて日本で盛り上がるということがよくあります。
インターネットサービスについて特にその傾向が強いです。
コンテンツに関してはどうでしょう? 
昨年日米で流行したYouTube動画について比較してみます。

1) YouTube Rewind -YouTube人気動画 日本編

YouTuberは毎年12月に、その年に話題となった動画を集めた特集チャンネル “YouTube Rewind” を更新しています。
こちらが2015年の日本のYouTube Rewind
トップトレンドを見ると、昨年非常に話題になったエグスプロージョンさんの動画がずらりと並びます。
「本能寺の変」は、現時点(2016年3月)で4,500万回以上再生されています。


次いで人気YouTuberであるはじめしゃちょーさん、HIKAKINさん、の動画がランクインしています。
いずれも、様々なメディアで取り上げられたため、普段YouTubeをご覧にならない方でも、どこかで見聞きした覚えのある動画かと思います。

2) YouTube Rewind -YouTube人気動画 グローバル編

そして、こちらが2015年のグローバルのYouTube Rewind
主にユーザーが多いアメリカの世相を色濃く反映しています。


トップトレンド1位の動画は何と、現時点で14,000万回以上再生されています。
こちらはTianne Kingチャンネルのものですが、ニューヨークを拠点に活動するダンサー・振付師のTianneさんとその娘さんのHeavenさんのダンス動画です。
Silentó のWatch Me に合せて踊る、日本で言うところの「やってみた系」のハイクオリティ版です。
Heavenさん、何とまだ4才だそうです。

次いでゲーム「クラッシュオブクラン」のコマーシャル動画がランクインしています。
この動画がスーパーボールのスポンサードとして放送されたという話は、以前RIPPLYでも紹介しております。

アメリカYouTuber タイアップ動画事例:ゲーム編

2016.02.17

3) YouTube Rewind -YouTube人気動画 日米比較

こうして比べてみると、トップトレンドの動画の傾向やその再生数のスケールの違いにばかり目が行きがちです。
もっと面白いのは、取り上げられているカテゴリの違いです。
日米で共通しているのは「音楽カテゴリ」。
音楽はYouTubeと相性が良いため、各国共通で人気のあるカテゴリなのでしょう。
その他に取り上げられているカテゴリは、日米で随分と傾向が違います。
アメリカは、「広告の動画」と「ゲームのプレイ動画」のランキングが紹介されています。
動画広告が話題になるのは、アメリカでは大企業がWebで動画広告を実施するのが当然になっているからでしょう。
またゲーム動画は日本でも人気がありますが、アメリカでは遥かに一般的なジャンルとであることが反映されています。
一方で、日本。
取り上げられているカテゴリは「ペットと動物」と「映画とアニメ、特撮ヒーロー」です。
昔から日本は世界的に見ても突出してペットカテゴリ(それも主に、ネコ)の再生回数が多いと言われてきました。
その傾向は相変わらずと言えるでしょう。
1位のinosemarineチャンネルの「邪魔されクッキング」は傍若無人な柴犬が何度見ても微笑ましいですね。
コメント欄を見ると、かなり海外の視聴者も集めているようです。


次に「映画とアニメ、特撮ヒーロー」。
これも日本のお家芸と言うべきカテゴリです。
1位は東映特撮YouTube Officialチャンネルの動画。

幼稚園くらいの男の子のいるご家庭であれば、もはや「スーパー戦隊シリーズのダンス」は日曜朝の風物詩となっているのではないでしょうか。
東映スーパー戦隊シリーズのお馴染みのエンディングのダンスは、最近ではこうしてYouTubeで動画が公開されています。
それによって、視聴者の「踊ってみた動画」投稿を促したり、積極的に募集したりしています。
一種のバズマーケティング手法として興味深いです。

まとめ

「アメリカの流行が数年後に日本に」、という傾向は確かにインターネット一般にはあります。ただし、YouTubeの人気動画を見ていくと、こと動画コンテンツに関しては、それぞれのお国柄が強く反映されていそうです。