若い女性が多い? Yahoo!のユーザー像について考える

Yahoo!JAPANといえば、今も変わらぬ日本最大のポータルサイトであり、月間総ページビュー数は500億を超えると発表されています。
これだけのマンモスサイトなので、日本のインターネットユーザーの大部分が何かしらの形で利用していると考えられます。

1) Yahoo!の主なユーザーのイメージ

Yahoo!JAPANの主なユーザー像といえば、かつては「若い女性」というのが定説でした。一方のGoogleはそのユーザー像を「男性、理科系、ビジネスユース」などと評されていました。
今から5-6年ほど前、2010年ころまでは、両検索エンジンのユーザー像はこのように認識されていました。
実際に、若い女性向けのファッションブランドやコスメティックブランドのWebサイトのアクセス解析データを一定数見てきましたが、検索エンジンからの流入に関して、Yahoo!からの流入がGoogleからの流入を上回る、というのは一般的でした。
つまり、若い女性からはYahoo!のほうが利用されていた、ということになります。

2) Yahoo!ユーザーに関するヒント

果たして、今現在はどのような傾向にあるのでしょうか?
少々古いのですが、Yahoo!JAPANが2014年に発表したホワイトペーパーが非常に興味深い内容です。
「Yahoo! JAPAN」が訴求できるユーザー層とは? ~広告媒体としての「Yahoo! JAPAN」に関する意識調査
こちらは2014当時の調査データですが、Yahoo!JAPANが自らの広告媒体としての特徴を説明したページには今でも2014年のほぼ同時期のデータが引用されています。
2014年当時から今に至るまで、大きな傾向の変化はないと考えて良いかと思われます。

3) 現在のYahoo!ユーザーについて

ホワイトペーパーの内容から、2つご紹介します。

Yahoo!ユーザーの性別年齢分布

  • 男性 53.8%
  • 女性 46.2%

>男性の内訳

  • 10代 2.2%
  • 20代 8.4%
  • 30代 11.8%
  • 40代 12.0%
  • 50代 8.8%
  • 60代 10.8%


>女性の内訳

  • 10代 2.2%
  • 20代 6.3%
  • 30代 10.3%
  • 40代 11.1%
  • 50代 8.3%
  • 60代 8.1%
総数として男性が多いのはインターネットユーザー一般の傾向です。
特筆すべきは「10代の利用比率の小ささ」、「男性30-40代、60代の比率の高さ」、です。
このデータを見ると、Yahoo!JAPANは若い女性というより、年配の男性によく使われているのではないかと考えられます。

Yahoo!JAPANユーザのデモグラフィック・サイコグラフィック

こちらは詳細な数字は開示されていませんが、調査データによると、
Yahoo!JAPANユーザには以下の傾向があると記されています。


居住地:政令指定都市が(比率が)やや高い
自動車運転:週1日以上運転率が高い
関心がある情報領域:スポーツ・投資・貯蓄
こちらからイメージできるユーザ像ですが、

  • 東京以外の地方の大都市に居住(もちろん、東京は政令指定都市ではありません)
  • 移動手段は自家所有の自動車がメイン(週1日以上運転)
  • 比較的金銭的には余裕がありそうな中高年世代、それも男性。

このようになりませんでしょうか。

まとめ

資料を読み解くと、かつては「若い女性のメディア」とされていたYahoo!JAPANが、現在は「中高年男性のメディア」と変化している可能性が考えられます。
背景は様々考えられますが、一つにはスマートフォンの普及が挙がるのではないでしょうか。
Androidは通常Googleプロダクトにフレンドリーな設定になっています。iPhoneのデフォルトブラウザであるSafariは通常はGoogle検索を使用する設定になっています。
またスマートフォンの場合、インターネットへの入り口は、かつてのPCのように「Webのポータルサイト」ではなく、様々なアプリになっています。
誰しも知っているメジャーサイト・サービスであるYahoo!JAPANですが、そのユーザー像は微妙に変化しつつあるようです。