無関心時代のマーケティング、企業のTwitter広報について

あらゆる情報に溢れている現代のインターネット。情報を届けるためには一方的に発信し続けるだけではなく、いかに興味、関心を持っていただけるかということが重要となります。今回はTwitterという手段を用いて広報活動を行う企業たちについてご紹介します。

Twitter広報で有名な企業

SHARP シャープ株式会社(@SHARP_JP)

企業アカウントの中でも最も有名なのがシャープさんなのではないでしょうか。


自社製品の宣伝を行うのはもちろんですが、他社とは異なるシャープさんの特徴的な点は、宣伝とは全く関係のないゆるくて面白いつぶやき、そして積極的で丁寧なリプライ(返信)です。


為になる有益な情報であれば競合他社の宣伝にも近いつぶやきも行う姿勢も人気の要因です。


株式会社タニタ(@TANITAofficial)

全体的にテンションが高めのつぶやきを行うことで有名なタニタさん。流行にも非常に敏感で、映画「名探偵コナン ゼロの執行人」が大ブームの際にはアカウント名を「株式会社タニタ(執行済)」に変更していました。

また、以前金曜ロードショーでスタジオジブリの代表作「天空の城ラピュタ」が放映された時には、『映画中のクライマックスでパズーとシータが滅びの呪文「バルス」を叫ぶ瞬間に「タニタ」とつぶやいてほしい。その総ツイート数が「バルス」に超えたらバルス商品を作り、超えなかったら場合は社名を『株式会社バルス』に変更する』という挑戦に挑んだこともありました。その時の結果は…ご覧の通りタニタさんの敗北で、宣言通り一日だけアカウント名を「株式会社バルス(公式)」に変更していました。


Twitterを超えた発展へ

ご紹介したシャープさんとタニタさんの(Twitter上での)親交はとても深いです。


この出会いから4年後の2016年6月、シャープさんとタニタさんのTwitterアカウントを運営する「中の人」に焦点を当てた「シャープさんとタニタくん@」という4コマ漫画の連載がスタートしました。その他にも、彼らのTwitter広報は様々な形となってあらゆる発展を遂げてます。

企業Twitterに求められているものとは?

アドブロックの需要が高まっていることからも分かるように、広告というものはどうしても嫌われてしまいがちなものです。そんな中、彼らのTwitterアカウントはたくさんの人々に愛されています。いったい人気の秘訣は何なのでしょうか?

継続力

両社とも初めから人気があったというわけではありません。
シャープさんは2018年1月末のインタビューhttps://news.infoseek.co.jp/article/bunshun_6002にて以下のように語っています。

シャープさん フォロワーが増え始めたな、と実感したのは初めて1年ちょっとしてからです。

タニタさんはフォローワーが増え始めるまでにおよそ3年を要したそうです。https://news.infoseek.co.jp/article/postseven_637612

フォロワー数が増え始めたのは、初投稿から3年目頃。駐車場に落ちていた自社の体組成計を“野良タニタがいた”とツイートしたところ、クスッと笑えるシュールなツイートがおもしろいと、人気が出始めた。

彼らの1日あたりのツイート数はおよそ30~60件です。通常の業務をこなしながら担当者1人でこの作業を継続していくのは容易なことではありません。心ない人たちの悪意に触れることもあるでしょう。根気と情熱が感じられます。

宣伝に重きを置いていない

先ほど取り上げたインタビューにてシャープさんは以下のようにも語っています。

シャープさん ツイッターを担当しろと言われたときに、会社中の決裁を取らないと何も呟けないなら、やらないほうがいいですよと伝えました。もし僕が担当するなら、そこは自由にさせてくださいと。その条件を呑んでもらったので始めたところはあるんです。そもそも広報するためにツイッターを始めたわけではないので。

――ツイートは広報ではない、と。

シャープさん 広報というのは企業のメッセージを1つに統一させて、それを世の中に伝えることです。でも僕は、企業のメッセージに、一社員の言葉を乗せて発信しています。企業メッセージに倍音を加えるというか、体温をのせるというか。宣伝の方法の一つとしてツイッターが使われていることは事実なんですが、それ以上に、企業と世間の皆さんとのコミュニケーションを豊かにしようという試みなんです。

TwitterはSNSの中でも拡散力がとても高く、上手くいけば大きな宣伝効果を生み出すことが可能です。しかし、シャープさんやタニタさんのつぶやきを見ると、自社製品の宣伝をひたすら流すことよりも、フォローして下さっている方々と楽しくコミュニケーションを取ることを大切にしていることがうかがえます。そのようなスタンスが多くの方に伝わっているからこそ彼らのTwitterは愛されているのではないでしょうか。

まとめ

ただ自社製品やサービスと無関係なことをたくさんつぶやけばいいといわけではありません。シャープさんとタニタさんのTwitterが愛されるようになったのはひとえに「中の人」の素敵な人間性、誠実さがつぶやきに表れているからではないでしょうか。
一昔前には「メールでは気持ちが伝わらない、手書きにこそ気持ちが込められている」というような風潮がありました。広告が嫌われてしまいがちな現在だからこそ、これからはインターネットを介して想いが伝わるような広告が求められているのかもしれません。