2015年から2016年にかけてInstagram上のスポンサード投稿が急増!市場規模は2.4億円以上に。

Instagramのユーザー数の伸びが堅調

Instagramの日本での月間アクティブユーザーは、2016年12月時点で1,600万人と発表(2017年2月)されました。*
1年半でおよそ2倍の成長とのことです。ユーザー数が堅調に増加していることが伺えます。
*2017年2月15日の事業戦略説明会でのFacebook社の報道発表。
日経新聞: フェイスブック、日本の利用者2700万人に

2016年はInstagramのスポンサード投稿が急増した年

iCON SuiteTHECOO株式会社)は、Instagramにおけるスポンサード投稿数に関する調査を行い、2015年7月から2016年12月の間でスポンサード投稿数が急激に伸びていることを明らかにしました。
【図1】

スポンサード投稿とは

スポンサード投稿とは、多くのフォロワーを抱えて影響力を持つインスタグラマーに対して企業が広告行為を依頼し、インスタグラマーが行う投稿のことを指します。
そうした投稿は、広告であることを明らかにするため、通常Instagram上でハッシュタグに「PR」や「提供」といった表記がされています。

調査サマリー

  • 2015年度は16件だったのに対し、2016年度は1,000件超に急増している。
  • 2016年後半は、四半期ごとに140%以上の成長が見てとれる。
  • すべてのスポンサードポストを合算すると、延べ2,600万人フォロワーにリーチしている。
調査概要
※1:日本国内のインスタグラムアカウント約3,000について調査。
※2:調査対象は公開アカウントのみ。
※3:「PR」「提供」などのスポンサー表記のある投稿をスポンサード投稿と定義。

スポンサード投稿増加の背景

2016年は広告メディアとしてもInstagramが注目された

Instagramがタイムラインに表示する広告サービスを本格的に展開し始めたのは2015年10月です。
2016年は多くの企業がInstagram広告をメディアプランに組み込み、Instagramは広告メディアとしても非常に活況を呈しました。そして、Instagramのユーザー数が増えプラットフォームとして活発化するに伴い、その中でのスポンサード投稿(タイアップ投稿、PR投稿とも呼ばれる)も急増していきました。

2017年には4,000投稿を越えてくる見込み

【図1】から読み取れるように、Instagramのスポンサード投稿は、2015年には年間わずか16件しかありませんでしたが、2016年では年間1,000件を越える規模に拡大しています。
特に2016年後半は、四半期ごとに140%以上ものペースで成長していることが判明しました。
これは昨年当社が調査したYouTuberによるタイアップ動画の本数・増加ペースを越える勢いです。
仮にこのペース(対前四半期140%)で増加したとすると、スポンサード投稿は2017年には4,000投稿を越えてくる見込みです。

YouTuberタイアップ広告市場を推計 2015年に昨年比8倍に成長。市場規模は15億円以上!

2016.05.12

より幅広いインスタグラマーがスポンサード投稿を依頼されるように

スポンサード投稿を行っているインスタグラマーの平均フォロワー数は、2016年7-9月におよそ8万人だったのに対し、2016年10-12月期においては、およそ6.5万人へと減少傾向にあります。
これは、以前と比較してよりフォロワー数の少ないインスタグラマーがスポンサード投稿を行うようになってきたことを示しています。このことから、企業が起用するインスタグラマーは、人気インスタグラマー以外にも広がっていると考えられます。 
現在、日本国内のインスタグラマー(企業・団体のアカウントを除く)のフォロワー数ごとの分布は概ね、【表1】のようになっております。
【表1】

調査の過程で、インスタグラマーごとのスポンサード投稿数のランキングを出してみたところ、上位10名までは本業がタレント業ではないインフルエンサーが並び、フォロワー規模6-7万人のマイクロインフルエンサーの活躍が目立ちました。(2016年10-12月期)

スポンサード投稿はどれほどの人に届いているのか?

スポンサード投稿の延べフォロワー数を調査した結果、 2016年10-12月期では、Instagramでのスポンサード投稿は、延べ2,600万人にリーチしていることがわかりました。
1ヶ月あたり延べ860万人がスポンサード投稿に触れている計算です。
Instagramの月間アクティブユーザー数は1,600万人と発表されていますので、相当の割合のInstagramユーザーがスポンサード投稿を目にしているといえます。
2016年は、Instagramでのスポンサード投稿が広告手法として非常に大きな存在感を持ち始めた年だと位置づけられます。
[図2]

<算出方法>
延べフォロワー数は、スポンサード投稿を行ったアカウントのフォロワー数を、スポンサード投稿ごとに通算した数字。例えば、1万フォロワーのインスタグラマーが3回スポンサード投稿を行った場合、延べフォロワー数は3万人。

インスタグラマーによるスポンサード投稿の市場規模を推定。広告費は2.4億円以上。

インスタグラマーにスポンサード投稿を依頼する際の費用は、そのフォロワー数に依存するのが一般的です。
インスタグラマーの起用相場は、インスタグラマーが持つフォロワーの数を基準にして、1フォロワーあたり3.5-6.5円*とされます。
つまり10万フォロワーを持つインスタグラマーの場合、35万円-65万円がひとつの金額感イメージです。

*インフルエンサーによっても値段に幅がありますし、同じインフルエンサーでもスケジュールの都合によって値段は上下します。
また複数人を同時起用することで値引きが発生することもありますし、投稿してもらう企画の内容によっても金額は上下します。(例えば、拘束時間が長いイベントへ参加した上での投稿を依頼するようなケースでは、その分金額は上がります。)
あるいは企画手数料等もキャスティングを行う企業によってまちまちなので、あくまで一つの参考値です。
2016年のスポンサード投稿全体の延べリーチ数が約7,000万フォロワーです。
仮に1フォロワー3.5円として計算した場合、2016年のインスタグラマーのスポンサード投稿に関する広告市場規模は、少なくとも年間2.4億円以上にのぼると推定されます。