来月5月、YouTubeから久々に新しいフォーマットの動画広告が登場するようです。
“Bumper ads“という名称の新しい動画広告フォーマットが発表されました。
YouTube動画広告と言えば、この数年を掛けて”TrueViewファミリー”と呼ばれる「視聴課金型」の動画広告フォーマットに一元化されました。
そして昨年、2015年にAdWordsとの完全統合がなされたのは記憶に新しいです。
今回新たに登場するのは、TrueViewに似たプレロール動画広告です。
“Bumper”, YouTuberの新たな動画広告フォーマット
Bumper Ads(Bumper広告)の特徴
- 動画の尺は”6秒“
- YouTube動画に対して、プレロール再生される
- TrueViewと異なり”スキップできない“
- AdWordsからオークション形式で出稿
- CPMベースで課金
- スマートフォン向けのフォーマット
- TrueViewを代替するものではない(TrueViewとは共存する)
3.の「スキップできない」はブログ中に明記されているわけではないですが、その形式からスキップできないと考えられます。
5.のCPMベースというのは、おそらく最終オークション自体がCPMで実施されるという意味ですが、入札がCPCでできるかどうかは言及されていません。
6.の「スマートフォン向け」というのは、明記はないですが、文脈から「スマートフォン専用フォーマット」という可能性が高いです。
「自宅のリビングでスマートフォンを使うユーザーが非常に多いという事実を受けて開発された広告フォーマット」と記されています。
Googleは、TrueView広告と組み合わせることで、新たなリーチとフリークエンシーを獲得できるとしています。
TrueView単体で実施するよりも多くのユーザーが視聴してくれて、かつ一ユーザーあたりの視聴回数も増える、と解釈できます。
Bumper x アトランティック・レコード
βテスターとなったアトランティック・レコードの動画です。
アーティストの新譜のプロモーションに使われたとのことです。
- TrueView広告を併用し、アーティストやその新譜に関するストーリーを深く語る
- 加えてBumperでユーザーに短くとも印象に残るメッセージを与える
というプロモーションが実施されたというもの。
Bumper x アウディ QシリーズSUV
こちらは自動車メーカーのアウディの動画です。
アトランティックの例と同様、TrueView広告が「完全版」で、Bumperがその「ダイジェスト版」のような構成になっています。
Qシリーズの”Q”をテーマにした動画で、ドイツ語のQで始まる物語が展開されます。
原文は Cross kick としていますが、マルセイユ・ルーレットと呼ばれるフェイントです。(かつてフランス代表のジダンが得意とした)
大ジャンプ、飛躍的な進歩。
“Bumper”は「動画の俳句」
GoogleはBumper Adsについて、下記のように述べています。
- “Bumper”は「動画の俳句」のようなものと考えている。
- このフォーマットをクリエイターがどう活用するか楽しみ。
6秒尺の動画を「瞬間を切り取る俳句」に喩えたのは、言い得て妙です。
実際、6秒尺の世界でどんな表現が生まれてくるのか、非常に楽しみですね。
ますます、テレビCMとは違ったWebならではの動画広告の手法というのが発展していきそうです。
Google Inside AdWords
Built for mobile: Bumper ads drive incremental reach and frequency, particularly on smartphones