「バイラル効果は自然には生まれない」-裏で結託するソーシャルメディア担当者たち-

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企業のソーシャル担当者同士が結託して、お互いのソーシャルコンテンツが盛り上がるように仕組んでいるという話です。
真実やいかに?ですが、実際に交わされているTwitterでのやり取りを見るに、あながち根も葉もない話でもなさそうですね。

ソーシャルメディア担当者が結託してソーシャルコンテンツを”盛り上げて”いる?

ソーシャルメディアでブランド同士が会話しているのを見ると、その会話は一見、自然発生しているかのように見えるでしょうが、実際は全く違います。

デジタル戦略グループ、Savvy Millennialの創業者であるSavannah Peterson氏は、クライアントのためにコンテンツを製作すると、友人に「チェックしてみて」とメッセージを送ることがよくあるそうです。

そして、その友人とは・・・
他のブランドやエージェンシーのソーシャルメディア担当マネージャーたちであり、彼らが一丸となって、個人アカウントと企業アカウントの両方から、Peterson氏のコンテンツについてソーシャルメディアで情報を発信するのです。

「インターネットを支配しているのは私と100人の友達だってよく冗談で言うんですよ。
バイラル効果は自然には生まれません。(ソーシャルメディアで)お互いにコンテンツについて情報を発信し合い、タグ付けする場合が多いですね」と話すPeterson氏。

言い方を変えれば、ソーシャルメディアで陰謀を企む一団がいるということです。
こういったソーシャルメディア担当マネージャーたちは、まずインターネットや業界会議を通じて知り合います。

「今度、うちの投稿にいいね!やコメントお願いしますよ」
「ぜひ弊社の投稿をシェアしていただけませんか?」

ひょっとすると、ソーシャルメディアの舞台裏では、タバコの煙が漂う密室でこういった会話が交わされ、マネージャーたちが色々なアイデアをブレインストーミングしているかもしれません。

中には、プライベートのメーリングリストやFacebookグループを利用している人もいるようです。

企業・業界の垣根を超えて「ソーシャル担当」として一つのチーム?

ソーシャルメディアエージェンシー、Attentionでインフルエンサーおよびパートナーシップマーケティング部門のディレクターを務めるJeremy Simon氏は、次のように言っています。

「一般的に言って、同じ専門職に就く者同士だと、業界に関係なく仲良くなりやすいので、ソーシャルメディアアカウントを運用する人たちは全員一つのチームにいるようなものですよ。
逆に、世間一般とブランドは対局に位置していますがね」

匿名希望のあるエージェンシーは、他のエージェンシーや大企業と慎重に計画することによって、ソーシャルメディアで大きなバイラル効果が得られる場合があると教えてくれました。

その一例として、去年のスーパーボウルの開催期間中、そのエージェンシーがあるメジャーブランドのTwitterキャンペーンを担当した際、Twitterでの会話が自然に発生したように見せかけるため、他のブランドでソーシャルメディアアカウントを運用する数人の友人たちと協力したそうです。

「彼らの助けのおかげで、(私たちのTwitter)キャンペーンが勢いを増し、試合中に最高のエンゲージメントを達成することができました。
長年にわたって関係を築いてきましたから、ブランドにワンランク上のサービスを提供することができれば非常に嬉しいですよ」と、そのエージェンシーのソーシャルメディア担当取締役は語ります。

Facebookへの投稿内容を事前にシェアして、いいね!を誘発?

Twitterの波に乗っている時、関係者みんなが美味しい思いをします。
これはまさに、「上げ潮はすべての舟を持ち上げる」という考え方であり、Facebookにも当てはまります。

オーラルヘルスブランド、Essential Oxygenでコミュニケーションディレクターを務めるEmmi Buck氏は、少数の実店舗でしか自社製品を取り扱っていないチェーン店、Good Earthのソーシャルメディア担当マネージャーと密接な連携プレーを取っています。

「上げ潮はすべての舟を持ち上げる」=「A rising tide lifts all boats」というジョン・F・ケネディ元米大統領の言葉。「経済が上がり調子の時は、すべての人々がその利益を享受する」というのが元の意味。

「私たちは実際に行動に移す前に、Facebookへの投稿について話し合いを重ねてきました」と、Buck氏は言い、さらにこう続けます。

「私が時々取る手段は、彼女がすぐにいいね! やコメントできるように、彼女や彼女の上司に関する投稿を事前に知らせることです。
あとは、一緒にキャンプ旅行に出かけたり、仕事の後に飲みに行ったりする時に、投稿を調整したり、ブレインストーミングしたりすることもありますね」

企業同士の実際のTwitterのやり取り

しかし、ブランド同士のオンラインでの交流がどれも仕組まれたものというわけではありません。
例えば、Barbasol (シェービングクリーム)、Totino’s (冷凍ピザ)、Applebee’s (レストランチェーン)の3ブランドは下記のように、楽しそうにツイートを交わしていました。

広告業界のパロディサイト、Adweak.comがApplebee’sを茶化したことがきっかけで、彼らはそれに対してTwitterで反応を示したのです。

Adweak.com
広告業界に関連するニュースを扱う雑誌およびウェブサイト「Adweek」があり、これを1文字変えてパロディとしています。
広告業界に対する皮肉を交えて嘘のニュースを流しているようです。

パロディサイトの皮肉攻撃に対して共同戦線を張る

ADWEAK
@adweak
最新速報: Applebee’s、料理の写真とCall To Actionを用い、Facebookでファンとのエンゲージメントを促進 pic.twitter.com/CorcNOU0It

Pete Zaroll
@totinos
@adweak 何だよ、今度は俺の友達、@Applebeesをイジってるのか!@BarbasolShaveと@JakeStateFarmは、こんなものには負けないぞ!

さりげなく、お互いが売っている商品に言及し合う

Barbasol
@BarbasolShave
@totinos @adweak @JakeStateFarm 美味しい3チーズチキンカヴァタッピが食べたいから、近所の@Applebeesには並ぶけどね・・・。

Pete Zaroll
@totinos
@BarbasolShave @adweak @JakeStateFarm @Applebees 列に並んでる間に何かつまめるように、リュック一杯のピザロールを持って行くよ!

上記のブランドはそれぞれ業界が違い、競争もほとんどないので、お互いを助け合いやすい環境にあります。

さりげなく、お互いにツイートをほめ合う

Yuyu C
@chenilleyuyu
@Applebees @nothinbutlag @JakeStateFarm @BarbasolShave @totinos 超ウケる。この会話って、前もって計画してたの?

Jake from State Farm
@ JakeStateFarm
@chenilleyuyu @Applebees @nothinbutlag @BarbasolShave @totinos いや・・・(笑) Twitterの大親友とのいつものおしゃべりだよ!

ブランド同士が熾烈な競争環境に置かれている場合、戦略的なソーシャルメディアでの交流はまず起こりえないでしょう。
スチームクリーナーブランド、Duprayのデジタルマーケティングマネージャー、Matthew Mercuri氏は、次のように語っています。

「もしあなたと僕が親友だとして、あなたがMicrosoftのTwitterアカウントを運用し、僕がAppleのTwitterアカウントを担当していたら、Twitterで交流しても得になることはないですよ」

企業がソーシャルメディアを運営する3つの目的とは?

Mercuri氏はソーシャルメディアが果たす目的は3つあると説明します。
1つは「コミュニケーション」、次に「関係構築」、そして「広報活動」です。
よって、ソーシャルメディア担当マネージャーがこのうち1つでも目的を果たしていなければ、そのマネージャーのソーシャルメディアでの交流は役に立たないということです。

ソーシャルメディアでの会話を前もって計画することで、ブランドの個性が強まり、認知度向上に役立つ場合もありますが、真にクオリティの高いバイラルコンテンツは自然に発生するものだと多くのソーシャルメディア担当マネージャーたちは信じています。

最後に、Savvy MillennialのPeterson氏の発言を紹介して締めくくりたいと思います。

「時にはコンテンツを戦略的に練ることもあります。その方が上手く行く時があるので。
しかし、結局のところ、自然発生的なコンテンツに勝るものはありません」