インフルエンサーが企業タイアップを成功させる秘訣 第2回 : タイアップ広告では「誰が?」「何を?」求めているのか。

第1回に続き、インフルエンサーが企業タイアップを成功させる秘訣 第2回です。
YouTube NextUp でiCON CASTが担当したセミナーの内容です。
※本稿はYouTube NextUp でiCON CASTが担当したセミナーの内容を編集したものです。

インフルエンサーが企業タイアップを成功させる秘訣 第1回 : 『007』とBABYMETALに学ぼう!

2016.06.09
まずは、タイアップで成功するには、「誰が」、「何を」、求めているのか。
この2つのポイントを、きちんと理解する必要があります。

誰が? =マーケティングマネージャー・ブランドマネージャー

「誰が?」というのは、広告主の「マーケティングマネージャー(担当者)」のことです。
あるいは「ブランドマネージャー」と呼ばれることもあります。
これは企業によって定義や呼称や職掌がまちまちです。

一般的に、ブランドマネージャー(担当者)といえば

会社のイメージや製品のイメージ、消費者に伝えたいメッセージを、どういう形で発信していくかを考える人です。
例えば、商品のキャッチフレーズや、映像や画像といった”クリエイティブ”を考えています。
また、それをどういう媒体(テレビ、雑誌、Web)に載せるか、といったことも考えています。

一般的に、マーケティングマネージャー(担当者)といえば

ブランドマネージャーよりも定義が多様です。
ブランドマネージャーよりもさらにミッションが複雑に広範囲になる人もいます。
市場調査をやったり、製品のイベントをやったり、製品設計に携わったりとか。
あるいは反対に、特定のWebサイトのユーザーを増やす、売上を上げる、だとかミッションが限定的になる人もいるでしょう。

ブランドマネージャーでも、マーケティングマネージャーでも

そもそも明確な定義があるわけではないし、企業や担当者によって責任範囲が違うので、役職・肩書を気にしても仕方ないわけですが。
いずれにしてもマーケティングだったり、ブランドに対して責任持ってる人たちが、クライアント・広告主、です。
企業のこのような人々が、ブランディング(ブランド認知、ブランド形成)やマーケティング、製品拡販の目的で、YouTuberの皆さんとの「タイアップ」を望んでいるわけです。

何を? =「コミュニケーション」と「ゴールの共有」

では次に、このブランドマネージャーが、YouTuberの皆さまに何を期待をしているのかというところについて。
実はとてもシンプルだと思います。

何を? =一つ目はコミュニケーション

まずはコミュニケーションが円滑にできるということが、とても大事です。
これすごく曖昧な表現をしていますけど、円滑っていうのはどういうことかというと、
例えば、何か質問をしたときに、すごくタイムリーに返ってくるとか、
もしくは、質問に対して的確に答えが返ってくるとか、
そういった、ある意味当たり前のことです。
それだけで、信頼関係ができるので、仕事の進み方が全然違ってきます。
仮に広告主から言われたことを正確にできなかったとしても、コミュニケーションさえ円滑であれば救われることも多いです。
その上で、「一緒に良いものを作っていきましょう」といった意気込みがあるというのが、
広告主からすると、非常に安心して一緒にお付き合いできる、と思われるようです。

何を? =二つ目はゴールの共有

もう一つは、「ゴールの共有」・「アウトプットイメージの共有」です。
タイアップを通じて、YouTuberの皆さんは、何かしらの動画を広告主と一緒に作っていくことになるわけです。
動画制作の際には、多くの広告主から「◯◯な感じで~」「◯◯みたいなイメージで」といったふうに、とても「ぼやっとした」曖昧な注文があると思います。
なぜかと言うと、広告主はYouTuberの皆さまのクリエイティビティ・創造性を最大限に発揮して欲しいと思っています。
このため、制作前にあまり制限を付けないことが多いのです。
そもそも、YouTuberとのタイアップはYouTuberの独創性、創造性に期待がされています。
例えばテレビCMに使うような動画は、自分たちが作りたい動画として、細かいディレクションのもとに作成されるわけです。
一方でYouTuberとのタイアップは、広告主側が思いもつかないような意外性や新規性に期待しているのです。
とは言え、あまりに曖昧な約束事しかないままに動画制作を行ってしまうと、
「こういうイメージで、って言ったのに!」とか、「さすがにそれはやりすぎだ」とか、「いや、そもそもイメージと違う」だとか、後からすれ違うことが結構あります。
だからこそ、「ゴールを共有」すること「アウトプットイメージ」を共有することが重要です。
そのためにも、コミュニケーションを高い頻度で行なう、ということが求められるわけです。
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もし、相手が「ぼやっと」言ってきたら、それに対してなるべく、「それってこういうことですか?」と確認をしてください。
「キレイ系でお願いします!」
「カワイイ系でお願いね!」
「清楚系でお願いしたい!」
例えばこういう言われ方をしたとして、それぞれの違いは分かりませんよね。
その企業によっても個々人によっても言葉のイメージや定義は全く違うわけです。

私の失敗:「きらきら」のイメージ

実際に、私もありました。
私自身が広告主とYouTuberさんの間に立って、動画のディレクションをした際の話です。
広告主からは「きらきらする感じ」で、と言われたんです。
僕のイメージする「きらきらの感じ」で動画制作を進めたのですが、結果的に出来上がったものが、広告主がイメージする「きらきらの感じ」とは違ってしまったのです。
広告主のイメージは、朝焼けのきらきらしたみたいな感じだったらしくて、こちらの出したものと全然違ったのです。
今思えば、事前にきちんと「きらきらしてるってどんな感じですか?」ということを質問して、双方でイメージを共有しておけば、良かったわけですね。
「きらきら」って、朝の風景の感じですか?とか、海辺がきらきらしているような感じですか?とか、星空ですか?とか。
きらきらだけでも、色々あるわけですから。
「私の考えているきらきらっていうのは、こういうことですけど大丈夫ですか?」
「ちょっと違いますね。そうですね、では海のきらきらでいきましょう。」
となる場合もあるでしょう。
このように、しっかりコミュニケーションを取って、ゴールの共有をしておきましょう。
そうすれば仮に、海のきらきらが微妙に違ったとしても、お互いが譲歩できたり、納得できたりするわけです。
お互いの思っている「ゴール」、「アウトプット」、あるいは「期待」を合わせていくために、自分が思っているイメージをなるべく共有するようにする。
それがとても大事になってくるのだと思います。
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結局はコミュニケーション

改めてこの2点、「コミュニケーション」と「ゴールの共有」が、非常に大事なのです。
ここをぜひ意識していただけると、きっとタイアップのプロモーションは成功すると思います。
2点、と言いましたが、突き詰めると、実は「コミュニケーション」という言葉に集約されますね。
もちろん、決して簡単なことではなく、一朝一夕に出来るものでもないです。
私たちもとても苦労しています。
ただ毎回意識していただけるだけで、きっと全然違うはずです。良い方に向かうはずです。

…第三回に続きます。