建築学科の卒業制作で模型を手作りしていた友人が「3Dプリンターにしたら徹夜がなくなった」と言っていて、気になって調べてみました。 建築模型に使える人気の5台を紹介します!
そもそも建築用に3Dプリンターって必要なの?
建築模型は昔からスチレンボードやバルサ材を手で切って作るのが主流でした。 でも最近は、CADデータからそのまま立体出力できる3Dプリンターを使う人が増えています。

正直、建築模型を3Dプリンターで作る必要があるかどうかは、作るものの規模によります。 簡単な住宅模型なら手作りのほうが早いことも多いです。
ただ、曲面が多い建物や複雑な構造体は手作りだと精度が出にくいので、3Dプリンターの恩恵がかなり大きいです。 設計変更のたびに模型を作り直す場合も、データを修正してボタンひとつで再出力できるので時間短縮になります。
FDM方式と光造形方式の違いを知っておこう
3Dプリンターは大きく分けてFDM方式(フィラメントを溶かして積層)と光造形方式(樹脂を紫外線で固める)の2種類があります。
| 比較項目 | FDM方式 | 光造形方式 |
|---|---|---|
| 精度 | 0.1〜0.2mm程度 | 0.01〜0.05mm程度 |
| 仕上がりの滑らかさ | 積層痕が目立つ | ツルツルに仕上がる |
| 出力サイズ | 比較的大きい | 小〜中サイズが多い |
| ランニングコスト | フィラメント安め | レジンやや高め |
| 後処理の手間 | サポート除去のみ | 洗浄+二次硬化が必要 |
| におい | PLAならほぼ無臭 | レジン臭がかなりある |

建築模型だと「大きめの出力」と「ディテールの再現」の両方が必要なので、悩ましいところです。 大枠はFDMで出して、細かい部材だけ光造形で作る、という使い分けをしている人もいますよ。
建築模型向け3Dプリンターの人気ランキング5選
第1位 Bambu Lab P1S Combo 3Dプリンター 多色造形 AMS付き

Bambu Labは2022年に登場して一気に3Dプリンター業界を変えたメーカーです。 このP1S Comboは密閉型の筐体に、多色造形ができるAMS(自動フィラメント切替)が付属しています。
実際に使っている建築事務所の人に聞いたところ、「出力速度が圧倒的に速い」のが決め手だったそうです。 500mm/sの高速印刷に対応しているので、深夜にセットして朝には模型ができあがっています。
密閉型なのでABSやASAなど反りやすい素材も安定して出力できるのが建築模型には大きいです。 ただ、本体サイズがそこそこあるので、デスクの上に置くには場所を取ります。
Bambu Lab P1S Combo 3Dプリンター 多色造形 AMS付き 高速CoreXY構造
高速印刷+多色造形のハイエンド機
第2位 Creality K1C-2025 3Dプリンター 600mm/s高速印刷

Crealityは3Dプリンター界では老舗のメーカーで、エントリーモデルからハイエンドまで幅広くラインナップしています。 K1C-2025はカーボンファイバー配合フィラメントに対応した2025年モデルです。
600mm/sの高速印刷ができて、炭素繊維入りのフィラメントも使えるので、強度が必要な構造模型にも向いています。 ノズルが全金属製で詰まりにくい設計になっているのも地味にありがたいです。

Bambu Labと比べると価格が安いのにスペックは負けてないので、コスト重視ならこっちです。 ただ、初期設定がBambuほど簡単じゃないので、3Dプリンター初めての人はちょっと戸惑うかもしれません。
Creality K1C-2025 3Dプリンター 600mm/s高速印刷 CoreXY構造 炭素繊維対応
カーボン対応の高速FDMプリンター
第3位 FLASHFORGE Adventurer 5M Pro 高速印刷 密閉型

FLASHFORGEは教育機関での導入実績が多いメーカーで、操作がわかりやすいのが特長です。 Adventurer 5M Proは密閉型で、フィラメント交換がワンタッチでできる仕組みになっています。
建築学科の研究室で使われているのを見たことがありますが、学生でも説明書なしで使いこなせていました。 出力中の動作音も比較的静かなので、事務所に置いても気になりません。
ぶっちゃけ、出力速度はBambuやCrealityに比べるとやや遅めです。 でも安定性と使いやすさでは頭ひとつ抜けている印象です。
FLASHFORGE Adventurer 5M Pro 高速印刷 密閉型 3Dプリンター
教育現場で実績ありの使いやすいモデル
第4位 ELEGOO MARS 5 Ultra 9K 光造形 3Dプリンター

ここから光造形方式です。 ELEGOO MARS 5 Ultraは9K解像度のLCDパネルを搭載していて、建築模型の細かいディテール(窓枠やルーバーなど)がくっきり再現できます。
自動レベリング機能付きなので、光造形特有の「最初のキャリブレーションが面倒」という問題もクリアしています。 開封して30分で最初のプリントを始められたのには驚きました。
光造形なので当然レジン臭がします。 換気が必要なので、窓のない部屋で使うのは厳しいです。 出力後の洗浄と二次硬化の手間も、FDM方式に比べると面倒に感じるかもしれません。
ELEGOO MARS 5 Ultra 9K 3Dプリンター 高速印刷 自動レベリング MSLA 光造形
9K解像度の精密光造形プリンター
第5位 ANYCUBIC Photon Mono M7 PRO 光造形 14K

ANYCUBICのPhoton Mono M7 PROは14K解像度という驚異的な精細さが売りです。 10.1インチの大画面LCDで、建築模型のパーツを複数同時に出力できるのが効率的です。
窓のサッシや手すりのような細い部材も、14Kの解像度なら潰れずにきれいに出てきます。 この精度はFDM方式では絶対に出せないレベルです。

14Kの精度は本当にすごいんですが、その分レジンの消費量も多いし、洗浄の手間もかかります。 精密さが本当に必要な模型にだけ使うのが賢い使い方です。
価格もELEGOOよりやや高めなので、まずはFDMで全体を作って、ここぞという部分だけ光造形で仕上げるのが現実的です。
ANYCUBIC Photon Mono M7 PRO 3Dプリンター 光造形 14K 高速印刷 10.1インチLCD
14K解像度の超精密光造形プリンター
5台の比較
| 商品名 | 方式 | 建築模型の再現度 | 初心者の使いやすさ | 事務所で使える静かさ |
|---|---|---|---|---|
| Bambu Lab P1S Combo | FDM | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★☆☆ |
| Creality K1C-2025 | FDM | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ |
| FLASHFORGE 5M Pro | FDM | ★★★☆☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ |
| ELEGOO MARS 5 Ultra | 光造形 | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★★ |
| ANYCUBIC M7 PRO | 光造形 | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★★★★ |
建築模型を3Dプリンターで作るときのコツ

建築模型を出力するとき、いきなり建物全体を一体で出そうとするとだいたい失敗します!! パーツごとに分割して出力して、後から接着するのが鉄板です!!
フィラメントとレジンの選び方で仕上がりが変わる
3Dプリンター本体だけでなく、使う素材(フィラメントやレジン)の選び方も仕上がりに直結します。
ABS(FDM):PLAより強度が高く、サンドペーパーで磨きやすいです。 反りやすいので密閉型のプリンターが必要。
スタンダードレジン(光造形):細部の再現性が高いですが、直射日光に当たると変色・変形します。 展示模型には不向き。
ABS-Likeレジン(光造形):強度と精度のバランスが良く、建築模型の定番です。 ただし臭いがきついので換気必須。

迷ったらまずはPLAで試してみてください。 失敗しても素材代が安いので、練習用に最初の1kgロールを使い切るくらいの気持ちで大丈夫です。
●むかいしげる さんガジェットや電子機器のレビューを手がける筆者です。 3Dプリンターメーカーの担当者や、建築事務所で実際に運用している方へのリサーチをもとに記事を書いています。 今回は建築模型に使える5台について、実際の導入事例を取材しました。

