インフルエンサーの身に付けるファッションアイテムが買える "Shop the Look"をGoogleが開始

先日Google(Google AdWords)から、”Shop the Look” という新機能が発表されました。
「Instagramで注目の服が買える!」機能(広告)として話題ですが、その中身について考えてみます。

インフルエンサーが着ている服が買える? “Shop the Look “

ユーザーからみると…

  • ユーザーが商品に関連する言葉で検索をした際に、モデルやインフルエンサーのスナップ写真が表示され、ユーザーはその写真に写っている商品を購入することが出来る。

広告主から見ると…

  • モデルやインフルエンサーのスナップ写真をクリエイティブとした、画像広告を掲載することが出来る。

といったものです。
見た目は商品リスト広告(PLA)に似たものになりそうです。
あるいは、Google画像検索から直接モノを買うという体験が出来る、と表現したほうが分かりやすいでしょう。

どういう仕組みで広告が出るのか?

商品リスト広告(PLA)は、検索ユーザーの検索語句が、広告主が作成した商品のリスト(データフィード)とマッチしたときに画像付きの広告が掲載される仕組みです。
“Shop the Look” に表示される画像(インフルエンサーの写真)は、Googleが提携先のパートナーからデータ提供を受けている、という仕組みです。
そのパートーナーの一つが lIKEtoKNOW.it (それが知りたい!)というサービスです。

LKEtoKNOW.it とはどのようなサービス?

LIKEtoKNOW.it
http://liketoknow.it/
ユーザーはLIKEtoKNOW.itを利用する(アカウントを作って、自分のInstagramと連携させる)と、
Instagramで投稿にいいねした際に、その投稿画像の中の商品の購入リンクをメールで受け取ることができます。
インフルエンサーからすると、自分のコンテンツを収益化するための一種のアフィリエイトプログラムです。
およそ以下の流れでマネタイズします。

  • LIKEtoKNOW.it を通じてブログ投稿をする
  • Instagramにアフィリエイトリンク付きの投稿が出来る(提携の小売業者を選んで)
  • そのリンク経由で商品が売れれば、アフィリエイト手数料が支払われる

モノ売るインフルエンサーたち

インフルエンサー自身がものを売るという話は、以前紹介したソーシャルバイヤーに顕著です。
ソーシャルバイヤーはSNS上で、CtoC形態でモノを売る人々のことです。
この例に限らず、多くのファンを抱えるインフルエンサーは間違いなくモノを売る力があります。

中国の「爆買い」を支えるソーシャルバイヤーとは?

2016.04.01
現在、インフルエンサーが収入を得る手段は、企業とのタイアップだとか、YouTuberの場合はGoogleからの広告収入に限られます。
今後インフルエンサーがマネタイズできる幅が広がっていくのは非常に良いことだと思えます。

Googleのアナウンスは?

Googleが公式に発表しているのは下記の内容です。

Google Inside AdWords
https://adwords.googleblog.com/2016/09/shop-look-on-google.html
90%ものスマートフォンユーザーが「買い物を始めるときに、買いたいと思う特定のブランドは決まっていない」と言います。
そして、約半数のアメリカのユーザーが新しいトレンドやアイデアを見つけるのにブログを参考にしていると言います。
この「私は何か新しいアイデアが欲しい」という瞬間に、人々が製品やブランドを探すのを手助けするために、私たちは新しい広告体験を作り出すことにフォーカスしてきました。
人々の発見を促す、「ショーケースショッピング広告」と「画像検索広告のショッピング広告」です。
先日、私たちは独自の「ファッションウィーク体験」をローンチしました。
これによって、人々はGoogle上に集められたインスピレーションに富んだ画像から直接、ファッションの世界を探索して、店の商品を探すことが出来ます。
今、私たちは、アパレル・雑貨販売に関する新しい体験を、小売広告主に向けてリリースします。
“Shop the Look”と称する広告商品です。

どう機能するのか?

例えば、あなたが結婚式のために新しい衣装を探しているとしましょう。
もしあなたが「カクテルパーティー衣装」と検索したとすると、
あなたは人気のファッションブロガーが黒のカクテルドレスとヒール、サングラスを身に着けている画像を目にするでしょう。
あなたは、画像の中でフィーチャーされた商品とそっくり同じ(あるいはよく似た)製品を画像をタップして購入することが出来ます。
また、関連するような商品がショッピング広告のフォーマット上で表示されるため、
それらを探すことが出来ます。
スタンダードなショッピング広告では、小売広告主はCPCで支払い(クリック課金型)、
インプレッション(表示回数)とクリック数は既存のショッピングキャンペーンにレポートされます。

shop
※inside AdWords より

この広告でクリエイティブとしてフィーチャーされる画像は、ショップにとって非常に力強いものになるでしょう。
画像は元々はブランドや、ブロガーや、小売店、パブリッシャー(ウェブサイト運営者)などから提供されているものですが、データとして供給してくれるのは下記の信頼できるパートナーです。
LIKEtoKNOW.it.、Polyvore、Curalate、など。

はじめるには?

現在アメリカのモバイルデバイスで試験しています。
もしあなたが小売業者で、”Shop the Look”を通じて製品を表示したいなら、
ショッピングキャンペーンを作成して、モバイルで表示されるように入札単価を最適化してください。

日本でのローンチは未発表

このように、まだアメリカでもベータ版で、特に日本でのローンチについても触れられていません。
ただ、「Instagramのこの写真で、このインフルエンサーが着ているこの洋服が欲しい」といったニーズは相当あるように感じます。
このようなユーザーのニーズを叶えつつ、インフルエンサーのマネタイズの機会を創出し、広告主にとっても新たな広告手法となり得る、といった点で非常に楽しみな機能だと言えるでしょう。