インフルエンサーマーケティングを始める前に!知っておくべきステマの常識

「ステマ」という言葉を耳にしたことはないでしょうか。インフルエンサーマーケティングがますます加速する現代において、ステマについての理解は欠かせないものとなっています。しかし、実際に詳しく理解している人はまだ少ないのではないでしょうか。今回はそんなステマの基礎知識について、WOMマーケティング協議会(WOMJ)の定義するガイドラインをもとに解説していきたいと思います。

ステマってなに?

「ステマ」とは「ステルスマーケティング」の略で、法律や業界団体等が定めた定義はありません。WOMJによると、一般的には次に当てはまるものがステマであるとされています。

・広告主がいるにも関わらず、広告主が明示されない広告
・広告という形態をとらずに行われるマーケティング活動で、主体が明らかにされないもの
・本来の広告主とは異なる名称の主体によって行われる、広告・マーケティング活動

共通するのは「主体が明らかにされない」ことで、表面上は宣伝をしていないように見せかけているのが特徴です。

なお、WOMJとは、「WOMマーケティング協議会」であり、平成21年年7月、WOMマーケティング業界の健全なる育成と啓発に寄与するため発足した任意団体です。

ステマが禁止される理由

では、なぜステマを行ってはいけないのでしょうか。これに関して、WOMJは次のように定めています。

消費者行動の偽装は、情報受信者が正確な情報を知る機会を損なう恐れがあるため、WOMJ会員はこれを行ってはならない。

ここでの消費者行動の偽装とは、ステマのような偽装的なマーケティング活動全般を指します。

このように、事実ではない偽りの口コミやPR活動に基づいた情報は、消費者が正しい情報を得ることを妨げるため、決して行ってはいけないのです。

また、ステマを行った企業側の信頼を失うだけでなく、その業界全体への不信感を募らせるため、利益を下げ、多大な悪影響を及ぼしてしまいます。

ステマ発足の背景と事例

ステマが急増した背景を語るに当たって、インターネットやSNSビジネスの普及の関連性は避けられません。では、どのようなサイトでどのようなステマが起こったのでしょうか。ここでは、過去に発生し問題となったステマの有名な事例について取り上げます。

食べログ

実際に行った飲食店の評価を、誰でも簡単に投稿でき、閲覧できるグルメ口コミサイト「食べログ」。2012年に、39社の不正業者が食べログから報酬を受け取り、好意的な口コミのみを投稿するというステマの存在が明らかにされました。しかし、その5年後の2017年にも、有名レビュアーがある飲食店から過剰な接待を受け、高評価をつけていたことがわかり、完全なステマの廃止には至っていないことがわかります。

ヤフージャパン

大手検索サイト「Yahoo!」においてもステマが問題となりました。動作が運営する「Yahoo!ショッピング」では、検索結果の「おすすめ順」は広告費を支払うことで上位に表示されるという仕組みを取り入れているにもかかわらず、「広告」や「PR」などの表記をしていなかったことが明らかにされました。このような指摘に対してヤフー側は、ステマには当たらないとの見解を示し、今後も広告表記を行う予定はないとし、業界に波紋を呼んでいます。

Instagram

最近ではその影響力の大きさから、Instagramにおいてもステマが急増しています。2017年に、ある株式会社が、同社の社員に自社製品をPRするためのInstagramを運営させていたにもかかわらず、それを公表していなかったことが発覚しました。同アカウントは削除されましたが、当時は2万人以上のフォロワーを集めるほど多くの支持があったため、大きく信頼を失ったと言えます。

以上に取り上げた事例以外にも、様々なウェブサイトにおけるステマが存在し、なかなか消えることがないステマの現状が把握できます。

広告主の義務

ステマとならないためにはどうすれば良いのでしょうか。
ステマを回避するために、WOMJでは広告主による「関係性の明示」を義務付けています。以下は、WOMJが定めた便益の内容別の便益タグになります。

「PR」「広告」「プロモーション」「キャンペーン」などを表記することで、宣伝であることを明確に示し、消費者と広告主の公平性を保つべきとしています。

Instagramでは、「◯◯◯(ブランド名)とのタイアップ投稿」というタグを投稿に表示する機能が導入されました。インサイト機能が利用できるインフルエンサーが、スポンサーである企業アカウントとのタイアップ投稿でこのようなタグを用いることで、ステマをなくすことを目的としています。Instagramのように、ステマが発生しやすいメディアで効果的な対策を取り入れることは、今後の広告ビジネスにおいてますます求められます。

参照:インスタグラムが全タイアップ投稿にPRタグ導入、日本も対象

ステマ解消に向けて

このように、インターネットやSNSを介したステマに関するさまざまな事件や取り組みが存在しており、やっていはいけない行為であるという認識が広まりつつありますが、それでもステマはなかなか途絶えることがありません。この原因には、ステマに対する理解の欠如が考えられます。「ステマとは何なのか」「なぜステマはダメなのか」などを知っておくことが正しくインフルエンサーマーケティングを行う上で求められます。

より詳しく知りたい方は、以下のWOMJが規定した資料をご覧ください。

WOMJガイドライン本文と解説2017
WOMJガイドラインFAQ2017