Facebook、新機能のモバイル動画検索タブで、"ライブ動画"に賭ける

Facebookはモバイルアプリで、ライブ動画と録画動画された動画観賞専用の機能をローンチした。
これはYoutubeへの総攻撃と言える。


「動画タブ」はメッセンジャーの、画面下部のナビゲーションバーのまさに真ん中に位置している。
Facebookは動画をフィードから偶然見つけるものではなく、トピックごとにカテゴリー分けされた動画を発掘する場へと変身をとげた。
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※画像はFacebookより
この動画機能は、Facebookのライブ放送を重点的にフィーチャーしており、近日中にiOSとAndroid両方で下記のアップグレードとともに展開する予定だ。

  • ニュースサイトが、彼ら自身のサイトで行なう代わりFacebookでライブ動画を配信する
  • 家族や共通の趣味仲間とグループでライブ動画を楽しむ
  • イベントに来られなかった人々のために、イベントでのパーティの様子を配信したり、ライブ動画でQ&Aを実施する
  • ライブで鑑賞中にどういう反応があったか表示するコメント・リプレイ
  • トピックをタグ付けし、自分のライブ動画を正しいカテゴリーに配置する
  • Facebookの6種類のリアクション絵文字が視聴者および配信者に見えるよう画面を飛び交う (これはPeriscopeのハートに似ている)
  • 特別な機器を必要とせず、動画の明るさを調整する5種類のフィルター
  • 視聴者が自分の友達を招待する機能
  • 世界中で、現在なにがライブで配信されているか表示するマップ (現在はウェブのみ)
  • Snapchatスタイルの、配信者がライブ動画上に絵を描くことができる仕様 (発表済みだが、まだローンチされていない)
  • ライブ動画の視聴者ユニークカウントでライブ実施中にだれが視聴したかの指標と、どのタイミングで視聴者が増えたかのチャート

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※画像はFacebookより
これらのアップグレードで、Facebook Liveは、ツイッター傘下の、Periscopeを越えるとする。
Facebookは、ライブ動画の作成をよりシンプルに、後から見ても面白く楽しいものに、そしてライブ実施中に探すことを容易にするとしている。
これによって、今よりさらに10倍のコメント数が増えると言う。
ライブ動画は、外部の製品をとってつけたものではなく、ソーシャルネットワークの「コアの部分を底上げする」ものであると、Facebookの動画プロダクト管理担当役員フィジ=シモ氏は言う。
「Facebookは、成功劇場とでも呼べるような、人々の生活の輝かしいハイライトのみをシェアする場として、ときに批判の的になる。
しかし、ライブ動画は生であるため、つまらないこともあるし、雑なこともある。ただ、リアルなものである。」
ただし、Facebookは動画機能に注目を集めるため、よく利用されていたメッセンジャーのショートカットを届きにくい画面左上に追いやってしまった。
Facebookは動画共有の場になるどころか、”その他”タブに埋もれる結果となってしまった。
そして現在、前面の真ん中に陣取り、新しくデザインされたタブにより、横にスワイプするだけで「世界中のライブ」、「友達とお気に入りページ」、「録画済みライブ」といったカテゴリを表示されることができる。
また、「アメリカのニュース」「ホーム&ガーデニング」「TV&映画」といった、トピック分けされたガイドも表示される。
開発へ費やした時間や、機能への注目度は、Facebookが動画を未来のコミュニケーション方法と位置づけ、利益を生み出すと期待している何よりの証拠である。

必要なのは、あなたのカメラとアクションだけ

Facebookは去年の夏に有名人を使ってLive動画のテストを行い、一般には12月に展開した。
今や一般的なユーザーも、セレブも、ニュースも、周りで何が起きているか配信するためにライブ動画を利用している。
視聴者はコメントを残し、配信者をそれを見て返信をすることもできる。
Periscopeとは違い、Facebook Liveの動画は24時間で消えるのではなく永久的に保存できるのだ。
しかし、Periscopeが先に(2015年3月)ローンチされていて、有名であり、
「モバイル端末でのリアルタイムの動画配信 = Periscope」と世間に認識されている。
2016年3月、 Periscopeは2億放送の配信を記録した。
1月からは1億放送だった。 Facebookはこれに対抗しなければならないものの、Facebookの人気度を考えるとそう難しいことではないだろう。
そのため、Facebookはニュースフィードにおいてライブ動画を大々的に扱うことが発表されたのであろう。
配信者に、たくさんの視聴者に露出する場を与え、動機付けを行ったのだ。
シモ氏は、「先手を打つことに絶対的なアドバンテージがあります」と語る。
ゆくゆくは、配信者が増えるにつれて、各々の配信者への注目度は大きくなるだろう。
「だから、私たちは有名人やメディアに先に入り、何が有効か試すよう、奨励しているのです。」とシモ氏は言う。
この新しいライブ動画のリーチの指標を見れば、プロデューサーがFacebookを支持すべきであることが分かる。
メディアのニュース室から生放送用のプロ仕様の機材を使って、ライブ動画を放送するようなAPIが提供されるだろう、というのは以前New York Timesが報じたところだが、シモ氏もこれを認めている。
しかしここでFacebookはもう一歩深く踏み込む。
シモ氏は、ある新聞社は、自社サイトでマネタイズするのではなく、Facebookから直接支払を受けて、Facebook上でライブ動画を配信することが決まっていると述べる。
主な新聞社には、スタジオを設立し、プロダクションを立ち上げる経済的なインセンティブを提供しているようだ。
「これにより、フォーマットを確立し、長期的に儲けを見込めるモデルを見つけることができるのです」と、シモ氏は言う。
ひとつの可能性として、プロデューサーによるライブ配信の後に、ビデオ広告からのレベニューシェアを行なうという方法である。
これはすでに何人かのWebスターとFacebookが録画動画でテストを行っているものと似ている。
Facebookが期待をかけているのは、ライブ配信のお知らせを受け取るユーザーの早期フォローを集め、高品質のリアルタイム動画コンテンツに資金が引き寄せられることである。
これはFacebookにとって賢い投資であるかもしれない。
動画広告は現在マーケティングにおいてホットな話題である。
視聴者に鮮やかにアピールする方法、すなわちオンラインのテレビコマーシャルにブランドは多額の投資を行うであろう。
Facebook上でより多くの動画が生成されることにより、人々がこのチャネルに慣れ、自然と多くの動画広告が表示されることになるのだ。
インターネット上はエンターテイメントであふれている以上、Facebookは最上のものを必要としている。
この新しい動画機能がより多くのライブおよび録画の視聴者をもたらせば、より多くのクリエイターをひきつけ、YouTube、Periscope、Snapchatなどを超えてFacebookが支持されることになるであろう。