集英社「左ききのエレン」とサントリー「ザ・プレミアム・モルツ」のコラボがすごい!

「左ききのエレン」とは?

「左ききのエレン」は、かっぴー氏による漫画作品です。2016年3月24日から2017年9月21日までcakes(https://cakes.mu/series/3659)で連載されていました。本編は完結しましたが、現在では同サイトにて番外編が連載中です。
また、同年10月7日からリメイク版(作画:nifuni)が集英社の『少年ジャンプ+』にて連載がスタートしています。広告代理店に勤務する駆け出しのデザイナー朝倉光一と、類まれなる絵の才能を持って生まれた山岸エレンの2人を軸にクリエイターたちの群像劇をリアルに描いた作品です。

リメイク版「左ききのエレン」1巻表紙 画像出典:http://www.shonenjump.com/p/sp/comics_pr/1712/hidarikikinoeren/

 

「左ききのエレン」とサントリー「ザ・プレミアム・モルツ」のコラボ企画

「左ききのエレン」とサントリー「ザ・プレミアム・モルツ」のコラボエピソードが少年ジャンプ+にて公開されました。全3話からなる7日間集中連載の形式で、朝倉光一が勤める目黒広告社に舞い込んだ「ザ・プレミアム・モルツ」の広告案件をめぐる物語です。今回のコラボ企画では作中で出来上がった広告が実際に現実の渋谷駅ハチコーボードに掲出されました。

 

今回のコラボ、一体なにがすごいのか

今回のコラボでは、「エンタメ(漫画)」が「広告」に、「広告」が「エンタメ(漫画)」に昇華されています。
一般的に、広告というものは興味がない人にとっては目障りに感じたり、全く興味を持ってもらえない存在になることも少なくありません。
「左ききのエレン」ファンや、ジャンプ+を利用している漫画好きの方々は今回のコラボ漫画を楽しんで読んだことでしょう。特に熱心なファンであるほどきっと、好きな作品に登場した商品だからこそ購買意欲が刺激されたのではないでしょうか。

渋谷駅ハチコーボードもコラボ漫画と連動し、5月8日までは広告制作中と表示されていた。 画像出典:https://amp.natalie.mu/comic/news/281184

そして、普段は足を止める人も少ないであろう掲示広告自体が、近年話題の聖地巡礼(アニメや漫画などの作品において物語の舞台やモデルとなった場所「聖地」と呼び、実際に「聖地」を訪問すること。)の対象となります。聖地が広告そのものなのですから、漫画を読んで聖地に足を運んでみる、ということが直接、広告に繋がるのです。
 
また、渋谷駅に大々的に掲出されたこの広告には、漫画を読んで実際に足を運んだ方々が群がり、写真を撮ったり、Twitterやinstagram等のSNSに掲載されることになることが予想されます。
多くの人は、人が群がる場所や行列の先にあるもの、流行りや話題になっているものに興味を惹かれるます。本作品を知らなかった方々が今回の広告を見て「左ききのエレン」を読んでみようと思うこともあるでしょう。

また、今回のコラボ企画のすごいところは、コラボ漫画を読んだ人全員が自ずと広告が持つ意図、狙いを理解することになるところです。
すべての広告はそれぞれに作り手の意図が込められていますが、その意図を人々に伝えることはとても難しいことです。ですが、今回のコラボ漫画では、主人公たちがアイデアを生み出すのに苦労しながらもそれを乗り越えて結論に至るまでが詳細に描写されています。その結果、このコラボ漫画を読んだ人たちは、どのような意図、狙いをもって生み出された広告であるかということを、あくまで楽しみながら理解しているのです。

画像出典:https://amp.natalie.mu/comic/news/281184 ©かっぴー・nifuni/集英社

まとめ

今回のコラボ企画は「左ききのエレン」にとってもサントリー「ザ・プレミアム・モルツ」にとっても宣伝効果が非常に高い試みになったのではないでしょうか。渋谷駅ハチコーボード広告は2018年5月14日(月)終電まで掲出されているようです。ぜひ皆さんも足を運んでみてください。