コロナで変化した生活者のメディア消費とは?

変化を求められるマーケティング活動

コロナウイルスを理由に、予算抑制やプロモーションの停止などマーケティング活動に支障をきたした企業は多いのではないでしょうか?

実際にアジャイルメディア・ネットワーク株式会社の調査リリースによると、「コロナウイルスを理由にマーケティング活動に影響を受けた」という企業は98%。また、その中でも予算削減やリプランニングに影響があった企業は75%という結果が出ています。
特に広告予算に着目すると、予算が抑制されたものはマス広告やイベントポップアップストア、対照的にSNS活用/SNS広告や動画活用は投資を拡大した・拡大予定と回答する企業が多くいるという調査結果が出ているそうです。

このように企業側のマーケティング活動も変化を迫られ、変化をしている企業が増えており、特に、リアルからデジタルへの移行が見て取れます。

ですが生活者の変化は【リアルからデジタルへの移行】という単純なものでありません。以前からSNSや動画メディアのニーズは高まっており、一方リアルな場での生活者との接点が今後なくなるわけでもありません。

そこで今回は外出自粛から半年経過した今だからこそ、世の中が変化していく中で、広告予算が拡大されている動画活用に対する消費者の態度はどのように変化したのか、特に動画サービスとして代表的かつ成長著しいYouTubeに焦点を当て、生活者視点で考察をしたいと思います。

アジャイルメディア・ネットワーク株式会社による『コロナウイルスの感染下におけるマーケティング活動調査』参照

YouTube利用者の変化

YouTubeの利用者は年々増加し、市場も拡大を続けています。最近では、芸能人が続々と参入し、視聴者側だけ出なく発信者側も多様化しています。

またStayHome時間が増えたことで「YouTubeの視聴時間が増えた」「利用者数が増加している」といったニュースもよく耳にします。
事実YouTubeへの接触時間・接触者は増えているでしょう。ですが【接触】という観点だけではなく、利用目的や利用ニーズなどに変化はないのでしょうか。

YouTubeの利用目的として以前から多く挙げられるのが、「暇つぶし」「娯楽・趣味」「情報収集」といった回答です。
特に目的もなく自宅で空き時間や就寝前にYouTubeを開き、暇つぶしをするユーザー。好きなアーティストのMVや趣味であるゲームや料理に関連する動画を見て楽しむユーザー。自分の購入したいものやトレンドを知る為に視聴するユーザーなどが想定されます。

このような中、ここ最近再生回数やチャンネル登録者数を伸ばしているチャンネルにヨガやストレッチ、筋トレなどを行う「スポーツ系」のチャンネルが非常に多く見られます。
もちろんこれはStayHome時間の拡大などによる運動不足の解消に多くのニーズがあるからでしょう。

ですが注目すべき点はこれらのチャンネルで投稿される動画は、暇つぶしで眺める動画でもなく、情報収集をするわけでもなく、画面の中のインフルエンサーと【一緒に】運動をすることです。
多くの動画ではYouTuberがインストラクターのように、ダンスや筋トレ・ストレッチなどをし、一緒に見ながらトレーニングできる動画となっています。

実は外出自粛の4月ごろから「家で一緒にやってみよう」などのキーワードがYouTubeでトレンドとなり関連する動画が多く投稿されました。「一緒に勉強しよう」「一緒にご飯を食べよう」「一緒に運動しよう」といったものです。

コロナウイルスが蔓延する以前から「一緒に勉強」「一緒に支度をする」といった動画は注目されていましたが、これを機にジャンルも広がり投稿数も増え大きく拡大しました。

そして現在もなおスポーツや勉強など【一緒に】何かをするチャンネル・動画は注目を集めています。

まとめ

このように、YouTubeは「暇つぶしや娯楽として楽しさを求める」「目的を持って情報収集をする」ツールとして使用する人が多かった中で、画面の中のインフルエンサーと【一緒に】何かを【体験する】というコンテンツへの注目が、StayHome需要で拍車がかかったのではないでしょうか。そして今もこのようなチャンネル・動画の勢いは止まらず、今やトレンドではなく、当たり前のコンテンツになりつつあるかもしれません。

生活者の傾向をインフルエンサーマーケティングに活かすことは重要です。
今後もYouTubeの利用方法がどうなっていくのかに注目です。