事例から考えるYouTuberプロモーションの特性

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本稿ではみんな大好き、あるいは大好きだった玩具の事例を参考に、YouTuberプロモーションの特性について考えてみたいと思います。

なお、「食品や外食」といった商品サービスがYouTuberによるプロモーションに向いている、というのは以前取り上げました。

YouTuberとのタイアップ動画によるプロモーション。相性の良い商品・サービスとは?

2016.03.15

1) たまごっちのYouTuberによるプロモーション動画

たまごっちのタイアップ動画については、はじめしゃちょーさんによる「たまごっち100個育ててみた」が2015年には話題になり、400万回以上再生されています。
他にも、くまみきさんとのプロモーション動画も制作されています。

はじめしゃちょーさんは奇抜な発想の動画と甘いルックスとで、比較的若い女性にファンが多いとされています。

くまみきさんは、「原宿系」と称されるメイクやファッションに関する動画が中心で、こちらも若い女性にファンが多いようです。

現在のたまごっちのターゲットユーザーは若年層(小学生~10代)の女性ということで、その層を中心にファンを抱えるYouTuberが起用されたのだと考えられます。

なお、バンダイ社は独自にたまごっちTVというチャンネルの運営も行なっており、動画マーケティングには非常に力を入れていることが伺えます。

こちらには、SPコラボ☆「あの人」とたまごっち!という再生リストには、これまでのプロモーション動画もまとまっています。
YouTuber はじめしゃちょー、くまみき、その他にもお笑いタレントのロバート秋山さんとの動画も掲載されています。

2) 「古くて新しいたまごっち」だからこその、YouTuberプロモーション

たまごっちが最初に発売されたのは1996年です。
公式サイトには「女子高生を中心に大人気」だったとありますが、当時は大人にも子供にも男女問わず大人気で、一大ブームになっていたと記憶しています。

参照
たまごっち公式ホームページ / たまごっちとは?
http://tamagotch.channel.or.jp/about/

余談ですが、1997年当時、バンダイ社は経営不振でセガ社との合併を発表していました。
結果的にこの合併は実現しなかったわけですが、一説によると、たまごっちの大ヒットでバンダイの業績が上向いたからだとか。

YouTuberによるプロモーション動画をご覧頂くと明らかなのですが、今現在発売されているたまごっちは、90年代のものとは全くと言っていいほど別の商品です。

バンダイがプロモーションしたいのは、大人たちが既に認知しているたまごっちとは違う、新しいたまごっちという商品です。

一方で、キーチェーンで持ち歩くバーチャルペットという独特の形態の玩具は、かつて類似商品が沢山ありましたが、今はあまり見かけなくなりました。
たまごっちを知らない子供世代はバーチャルペットというカテゴリーそのものに認知がない、ということになりそうです。

たまごっちはキャラクターを使ったテレビアニメを放送したり、テレビCMを放送したりと、マスでの大型のプロモーションも実施しています。
その傍らでのYouTuberプロモーションにはポイントが2つあると考えられます。

  • かつてのユーザーだった大人たちには「以前とは違う新しさ」を伝え、情報をアップデートする
  • これからユーザーになる子供たちには「他では味わえない、たまごっちという楽しさ」を伝え、新たに認知してもらう

CMなどの短時間の接触で、たまごっちという複雑な商品の「新しさ」・「楽しさ」を伝えるのには限界もあります。

それに対して「長時間でも興味を持って視聴してもらえる」という特性を持つYouTuberプロモーションが、一つの回答となったのだと考えられます。

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3) YouTuber、インフルエンサーによるレビューが価値を持つ玩具カテゴリ

玩具とYouTube、YouTuberの相性は良く、有名なところでは、70万人以上の登録者数を持つレオンチャンネルがあります。

男児向けの玩具・食品玩具、あるいはコレクター向けのフィギュアのレビューが中心で、子供にも大人にも大人気です。

特に男の子を持つ親御さんからは、「子供が大好きで、スマートフォンでずっとレオンチャンネルを見ている」との声もよく聞きます。

「玩具のレビュー」は案外と歴史が長く、ブログなどの消費者生成メディア(CGM)や掲示板等のコミュケーションメディアの一カテゴリとしても定着しています。

インフルエンサーである有名ブロガーによるブログもたくさんあり、企業運営のものでは、ガジェット通信などにも一つのカテゴリとしてあります。

玩具にはそもそもインフルエンサーによるレビューが求められているという背景があり、その中でもさらに「動画を用いたレビュー」にはユーザーの高いニーズがあるのだと考えられます。

まとめ

本稿では玩具に関するYouTuberプロモーション例を取り上げつつ、YouTuberプロモーションの有効性について考えてまいりました。
少し一般化すると、下記のようなケースでは特にYouTuberプロモーションが有効だと考えられます。

  • 商品やサービスが複雑で、なかなか説明しづらい

また、たまごっちに関して言えば、YouTuberプロモーションを実施することで、「小中学生にターゲットして動画を見せる」ことが出来たはずです。

小中学生にターゲットできるWebの媒体は実はそれほど多くはありません。
そのため「小中学のファンを持つYouTuber」という存在に、一層強い媒体価値が生じたとも言えそうです。