Facebookと Snapchatがタテ型動画を支配する前に、アドテクが目を覚まさなければならない理由

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本日はタテ型動画に関する記事から。

Facebook, Snapchat,Instagram,そしてYouTuberも。
スマホでの動画閲覧(あるいは撮影)を前提としたタテ型動画はソーシャルを中心にスタンダードになりつつあります。

一方で、確かに「広告枠」「広告フォーマット」としてのタテ型動画を出稿できる広告プラットフォームはあまりないような印象があります。

パブリッシャーはタテ型動画に対応するも、広告フォーマットがないという現状

実際に人々がスマートフォンで動画を視聴する方法(タテ型)にマッチさせるため、大手パブリッシャーはようやく自社の動画をカスタマイズし始めました。
しかし、タテ型広告フォーマットがそれに追いついていません。

Washington Postはタテ型視聴に最適な動画ニュースやドキュメンタリーを製作するだけでなく、自社専用の動画プレーヤーもリリースしました。
しかし、せっかくのタテ型動画にもかかわらず、表示される広告はいまだに標準の「レターボックス」フォーマットなので、モバイル動画プレーヤーに合わせて幅が縮んでしまい、広告自体の魅力が損なわれています。

タテ型動画への競争はまだ始まったばかりです。Hearstは先月、自社が抱えるウェブサイトにタテ型動画向けの広告フォーマットを提供すると発表しました。
一方、Daily Mail、New York Times、Wall Street Journal、Mashableもすべてタテ型動画フォーマットにリソースを注いでいます。

「弊社の動画を100%タテ型に対応させるように取り組んでいるところです」と、Daily Mail 北米業務最高責任者のJon Steinberg氏は言います。

消費者がますますタテ型動画を見るようになってきている中、エンゲージメントを維持するために、パブリッシャーもタテ型動画に注力しています。
パブリッシャーにはクオリティの高いタテ型コンテンツの製作が、そして広告主にはタテ型に適した広告の企画が求められています。
しかし、アドテクプロバイダーが最適な広告フォーマットを提供できない限り、これらの努力も水の泡になってしまうでしょう。

パフォーマンスで上回るタテ型動画

KPCBアナリスト、Mary Meeker氏によると、ウェブ上のトラフィックの55%がモバイル経由で、2015年の動画視聴時間の30%がタテ型動画の視聴だそうです。2010年と比べると、これは6倍の増加になります。

スマートフォンを縦に持った時、全画面かつタテ型の広告が最も効果的であるという調査結果が出ています。
タテ型表示でモバイルの画面一杯に広がり、画像、音声、アニメーションを用いたリッチなインタラクティブ広告の場合、エンゲージメントが高まり、さらに、コンプリーションレートも900%増加します。

タテ型動画広告フォーマットであれば、モバイル体験を損なうことなく、フィットすることが可能です。
上下にスクロールすると、タテ型広告が画面一杯に広がるので、消費者の目を引くだけでなく、業界基準のビューアビリティ(広告は最低でも画面の50%を埋める必要がある)も超えやすくなります。
また、左右にスワイプすることで、全画面広告を表示させることも可能です。

タテ型動画フォーマットの効果が上がるにつれ、広告主の要求に拍車がかかるでしょう。
全画面かつマルチメディアなインタースティシャル広告では、従来のモバイル動画広告の2倍の広告レートが得られます。

一歩リードするソーシャルプラットフォーマー

タテ型動画広告の配信でイニシアチブを取っているのは、ソーシャルプラットフォーマーです。
そんな状況の中、自分たちも需要を取り込みたいプレミアムパブリッシャーは、有効なソリューションを求めています。

1億人を超える月間アクティブユーザーに広告主がリーチできるよう、Snapchatは昨年の夏、3V(Vertical Video View)広告を導入しました。
Snapchatでの1日あたりの動画視聴回数は70億回以上に上り、そのほとんどがタテ型動画です。

Snapchat CEOのEvan Spiegel氏はAdweekで次のように語っています。

「Snapchatでは、すべて全画面表示で行いたいという願望が根底にあります。
ですから、そのためには、タテ型動画は必須ですね」。

昨年、Facebookでの1日あたりの動画視聴回数が2倍に伸び、80億回に到達しました。
そんなFacebookが最近発表したのは、企業が自社のストーリーを伝えたり、商品を表示したりできる、Canvasという没入体験型の全画面広告です。

CanvasはFacebookにシームレスに溶け込むように作られており、超高速のロード時間と1ピクセルの狂いもない完璧な表示がモバイルで実現可能です。

後塵を拝するテクノロジーとパブリッシャー

Mashable、Financial Times、Vox Media、Mic、Buzzfeedは全社とも、広告収入の増大に期待を寄せ、モバイル動画の製作にリソースを投入しています。
こういったパブリッシャーを支援するためには、巨大プラットフォーマー(FacebookやSnapchatなど)のアプリ以外でも利用可能なタテ型広告ソリューションを提供することが、アドテクプロバイダーの課題です。

メディアバイヤー、DSP、エクスチェンジ、アドサーバー、SSP、パブリッシャーのウェブページなどを含む広告エコシステムにおいて必要とされているのは、タテ型動画広告の取り扱いが一般的に使用されている他のフォーマットと同じくらい容易になることです。
それには、どのプレミアムパブリッシャーに対しても機能する、普遍的なタテ型動画広告ソリューションが必須条件となるでしょう。

タテ型動画は一時の流行として軽く見られ、さらには、一部の映像監督やその他のプロフェッショナルによって、「害悪」のレッテルを貼られたこともありました。
しかし、実際はそのどちらでもありません。スマートフォンを持つ時、スマートフォンで本、動画、音楽を楽しむ時、人々は単にタテ型を気に入っているというだけの話なのです。

ブラウザとパブリッシャーの自社アプリ両方で美しく表示されるタテ型広告フォーマットこそ、私たちに今必要なものです。
タテ型フォーマットを好むユーザーが増えている現状を鑑みれば、確実に収益を増やす方法がそこにあるのは明らかです。

もしもここで失敗すれば、私たちはFacebookやSnapchatに市場を明け渡し、撤退を余儀なくされるでしょう。

Why ad tech needs to wake up before Facebook and Snapchat own vertical video
by DashBid CEO (最高経営責任者) Tom Herman氏