愛されて6年目、YouTube TrueView動画広告

YouTubeのTrueview動画広告は、もう随分とお馴染みになってきました。TrueView動画広告が世に出て、はや6年です。
5週年だった2015年には入稿のプラットフォームもGoogle AdWordsに完全統合され、Google AdWords広告の一フォーマットとして完全に定着しました。

TrueView動画広告という呼称は、「インストリーム広告」の代名詞的扱い

実は、リリースされた当初はそれほどたくさんの広告が入稿されていたわけではなかったため、実際にTrueView動画広告にお目にかかるのは珍しく、広告を探そうとするとかなり大変でした。
今では時が経ち、Trueview動画広告は今やすっかりメジャーな広告フォーマットとなり、YouTubeを訪れた際には、ほぼ必ずと言っていいほど目にするようになりました。
TrueView動画広告とは、本来はYouTubeの「完全視聴課金制(30秒以上の視聴が課金される条件)」の動画広告の名称ですが、主に動画本編が再生される前に再生される「TrueView インストリーム広告」の動画広告を指して使われることが多いようです。

TrueView動画広告の視聴率は意外にも高い

このインストリーム型のTrueView動画広告ですが、今まさに見ようとしている動画が始まる前に、自動で再生されるため、ユーザーからは厄介者扱いを受けることは少なくありません。
TrueView動画広告に遭遇したら、「必ずスキップする、見ない」という声もよく聞きます。
一方でYouTube側が発表しているデータによると、視聴率(スキップされない比率)は全体で15%以上に上るとのことです。
TrueView動画広告は、ユーザーの体感よりはよく見られているといえるかも知れません。
TrueView動画広告は、広告主側が配信設定をする際に、配信対象とするユーザーの興味関心や年齢性別などを細かく設定できます。
このため、広告主側の思惑通りに、広告動画に関心を持つような層・ターゲット層に対して広告がきちんと出た場合は、実際に動画はよく見られているのではないかと考えられます。
結果、全体的に見ると非常に高い視聴率が保たれているのでしょう。

TrueView動画広告をめぐる日米の文化の違い?

さて、冒頭にも述べたとおり、リリースされた当初、TrueView動画広告は日本ではなかなか普及が進みませんでした。
というのも、入稿するのに必要な動画素材を準備できる広告主が少なかったためです。
多くの広告主が興味を持つものの、動画がない、制作に時間が掛かる、という理由から導入を躊躇っていました。
一方のアメリカの広告主は比較的早い段階からTrueViewに限らず、動画広告を使いこなしていたようです。
当時、動画広告に関するGoogle社のセミナーで良く引き合いに出されていたのが、こちらのZagg社の「スマートフォン用の傷防止シート」でした。


こちらは当時の動画ではありませんが、動画コンセプトは概ね同じです。
今でこそZagg社のチャンネルには、非常に綺麗に編集された動画ばかりが並んでいますが、かつてはハンディカムで撮ったような雑な動画がYouTubeにアップロードされ、広告素材として活用されていました。
ただ、「傷防止シートを張ったiPhoneをひたすら鍵で傷つけようする。しかし、全く傷はつかない。」というシンプルな動画内容は非常に分かりやすく、商品紹介動画としては秀逸でした。
そしてお世辞にもクオリティが高いとは言えない動画でありながら、Google社が事例として紹介したいほど、ユーザーのからの反響があったというわけです。

まとめ

動画広告、という一つのツールをめぐる日米の広告主の対応の違いは非常に印象的です。
「動画制作は専門の制作会社に発注して、時間が掛かかっても、質の高いものを…」と考える日本の広告主に対して、「手元のハンディカムやスマートフォンで、さっと動画を撮影して広告素材として試してみよう」というアメリカの広告主。
Google AdWordsを広告代理店任せではなく、自社で運用しているケースが多いのもアメリカの広告主の特徴です。
どちらが正しいというわけではありませんが、動画広告が非常に手軽にはじめられることを考えると、「あれこれ悩む前に、まずやってみる」という程度の姿勢で悪くないのではないでしょうか。