特異な環境が育む、中国のインフルエンサー事情

お隣の中国では、他の国とは異なる中国特有のインターネットの世界が築かれている、ということがよく話題に上ります。
そしてインフルエンサー・マーケティングに関しても、やはり中国は独自の発展を遂げています。

中国のインフルエンサーに17億の評価額

アメリカではYouTubeやInstagramといったプラットフォームで活躍するインフルエンサーを中心に、新しい広告手法・市場が生み出されています。
中国ではFacebookやTwitterといったアメリカ発のソーシャルサービスは利用率が低く(政策的に制限されている)、そのためアメリカと同様のインフルエンサー・マーケティングの環境が成熟しているわけではありません。

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2016.02.08
その代わりに、中国国内で盛んに利用されている「微博(中国版Twitter)」、「微新(WeChat)」、といった国産のソーシャルメディアでのインフルエンサーたちが活躍しています。
Wall Street Journalによると、インフルエンサー個人が投資の対象となり、ほぼ個人でやっているような企業に、17億円という評価額がついていると言います。
投資家による会社の評価額も驚きですが、こちらのグーさんのそもそもの媒体価値にも驚きです。(期間や表示回数といった単位は不明ですが)

現在、11人の従業員を雇っているグーさんは、自身のソーシャルメディア投稿に挿入する広告に1件当たり40万元(約696万円)の料金を課す。

中国のインフルエンサーの巨大な影響力

YouTubeやInstagramはグローバルなプラットフォームなので、国境や言語を超えて活躍するインフルエンサーも数多くいます。
実際に、日本のスマートフォンゲームアプリの業界では、海外YouTuberとのタイアップも珍しくありません。

参考:
ポノス社のにゃんこ大戦争の海外YouTuberを使ったプロモーション事例
一見、グローバルなプラットフォームであるYouTubeやInstagramのインフルエンサーの方が活躍の場が広そうな気もします。
ただし、13億を超える中国の人口、3,000-5,000万人とも言われる華僑(中国本土から海外に移住した中国人およびその子孫)の人口を考えると、「微博」のインフルエンサーが持つポテンシャルは底知れぬものがあると言えます。
また一口に英語圏と言っても、それなりに文化の違い・多様性はありますので、全ての地域で強い影響力を発揮できるインフルエンサーはそれ程多くはないかもしれません。
一方で、「同じ文化を持つ13億人」に深くメッセージを届けられるポテンシャルのある中国のインフルエンサーの影響力は非常に大きいものがあります。

まとめ

もともとの中国の気質として、モノを買うときに「信頼・信用」を非常に重視すると聞きます。
このため、中国市場におけるインフルエンサーの存在は他国のそれよりも大きな意味を持つのかもしれません。
RIPPLYでは、中国特有のインターネット環境の中で育まれるインフルエンサーについて、引き続きウォッチしていきます。