インフルエンサーが企業タイアップを成功させる秘訣 第1回 : 『007』とBABYMETALに学ぼう!

本日はYouTube NextUp に関わる内容から。
YouTube NextUp については、以前RIPPLYでも紹介したことがあります。

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2016.05.02
YouTube NextUp は YouTubeのクリエイター支援プログラムで、支援の一環として、YouTuber を対象としたスキルアップセミナーを実施しています。
iCON CASTも、先日YouTubeより要請を受けて、YouTubeクリエイター支援のため「企業とタイアップする秘訣」といったテーマを担当いたしました。
そこで、YouTube Space でYouTuberの皆様に行ったセミナー内容をご紹介いたします。
※本稿はYouTube NextUp でiCON CASTが担当したセミナーの内容を編集したものです。

そもそも”企業タイアップ”とは?

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※YouTuber Space でのセミナーの様子
本日は、YouTuberが”企業タイアップ“をする際の秘訣についてお話します。
そもそも「タイアップ」という言葉に馴染みはありますか? 
あるいは、「PR」・「コラボレーション」という方がしっくりきますか?
実際、「YouTuberが企業と一緒に動画を制作する」ということを表現するために使われている言葉は様々あります。
ただ、いずれも「動画全体、もしくは動画の一部を、広告主企業の依頼に基いて制作し、それによって対価を得る」ような仕組みのことを指しています。
ちなみに、アメリカでは、「コラボレーション」と表現することが多いです。
日本では、「タイアップ広告」が最も一般的でしょうか?
少々古い表現だと、「プロダクト・プレイスメント」と言うこともあります。

分かりやすく言うと『007』、そうジェームス・ボンドです!

「プロダクト・プレイスメント」の代表例といえば、映画『007』シリーズです。
ジェームス・ボンドが活躍する、あのスパイ映画ですね。


『007』では、ボンドの愛車”ボンド・カー”として、よくBMVだとか、アストンマーチンといった高級車が登場します。
あの映画の中で、ボンドが乗っている車は、通常自動車メーカーがスポンサーとして提供しています。
(残念ながら『007』のお約束として、毎度壊されてしまうわけですが。)
ちなみに、自動車メーカーだけでなく、ロレックスオメガといったスイスの高級時計ブランドも同様に登場します。
スポンサーとして広告費を払って自動車や時計の広告を行い、かつ映画のストーリーにおける一つのコンテンツ(ボンドの秘密アイテム)として使用されているわけです。
YouTuberと広告主企業との「タイアップ」、「コラボレーション」も、突き詰めると『007』とBMV・アストンマーチン、ロレックスやオメガの関係と同様だと考えています。
つまり、いかに「物語の必須要素として視聴者に受け入れられるか」ということが重要です。
別の言葉を使うと、「コンテンツマーケティング」という言い方も出来るかもしれません。

BABYMETALに学ぶ「ニーズ」を捉えるということ

では、この「タイアップ」を行なう上で重要な事は何でしょうか?
例として、BABYMETALを挙げてみます。


今やBABYMETALと言えば、多くの人が知っていると思います。
BABYMETALは、斬新なアイディアで、メタルとアイドルの融合を実現させたわけです。
加えて音楽も非常に質が高く、ダンスの実力、歌唱力にも定評がある。
もちろん日本だけではなく、世界中にファンがいます。
ただ、BABYMETALはもともとは、いわゆるアイドルグループでした。
それが今やアイドルとメタルを融合させた新しいジャンルのエンターテイメントを創りあげているわけです。
企業とのタイアップの理想形とは、極論すると、このBABYMETALのようなケースだと思います。
つまり、YouTuberのクリエイティブなところと、広告主の求めているところが高次元で融合するということです。
BABYMETALには、BABYMETALを成功させるために、裏方で戦略を考えている方がいたと言います。
その方は、たまたまヘビーメタルが好きだったと。
そしてBABYMETALセンターのSU-METALさんの歌唱は、「ヘビメタと相性が良いな」、ということが着想だったそうです。
BABYMETALのメンバーそれぞれが実際にヘビーメタルという音楽ジャンルに理解があったとか、好きだったとか、それはさておき。
何かしらの音楽市場のニーズに合わせようと思って、試行錯誤してみた。
その結果として、世界的なヒットが産まれたというわけです。

オーディエンス、ターゲットを常に意識する

何が当たるか、視聴者に受け入れられるかはもちろん分かりません。
だから、色々なことにチャレンジしなければいけません。
ただいずれにせよ、「誰がオーディエンス(視聴者)なのか」・「誰が(広告主の)ターゲットなのか」ということを、常に意識するということで、企業とタイアップをするということの質は大きく変わってくると思います。
だから、本日は敢えてBABYMETALを引き合いに出しました。
(いや、単に僕が好きだから出しただけなのですけれど。)
企業とのタイアップで必要なことは、みんなBABYMETALが教えてくれるといって良いでしょう。

…第二回に続きます。

インフルエンサーが企業タイアップを成功させる秘訣 第2回 : タイアップ広告では「誰が?」「何を?」求めているのか。

2016.06.10