YouTuberがYouTuberを続ける、たった一つの理由

youtubestar

YouTuberやInstagrammer(インスタグラマー)といった、インターネットのスター、インフルエンサーがテレビに出て活躍しているのを、最近よく目にします。

一方で、インターネット上のインフルエンサーと呼ばれる人々が、将来どうなることを目標としているかは個々人によって様々なようです。
私たちがインフルエンサーの方々にお話を伺っていても、皆が皆テレビで活躍したいと思っているわけではなさそうです。

では、海外の人気YouTuberはどのように考えているのでしょうか?

3人のYouTuberから聞いた、テレビに進出しようと思わない理由

昨今のYouTubeスターたちの多くは、たくさんのオーディエンスと影響力を持っていて、主にYouTubeから分配された広告収入や、彼らのファンに向けて広告を打ちたいと思っているブランドと提携するなどして、生計を立てることが可能になってきています。

しかし、そんなYouTuberの中にはチャンネル内で自分のファンを集めるだけでは事足りないと思っている人もいて、オンラインでの成功を足がかりに、TVや映画産業へ参入しているようです。

例えば、昨年、Grace Helbigという人気のYouTubeスターはアメリカでエンターテイメントニュースを届けるE! Newsで深夜のトークショウ番組を受け持つことに、YouTubeパーソナリティーのEd Bassmasterはアメリカの放送チャンネルCMTで自分の番組を始めています。

その一方で、YouTubeで自分のチャンネルを成功させ、多くのファンを持つことは、単に次のキャリアのための踏み台ではなく、それ自体が成功の証だと考えているビデオブロガーもいます。

人気YouTuberの本音は?

ビジネスカンファレンスのC2モントリオールでは、3人のYouTuberが「YouTubeクリエイターズ:新しいメディア?」のパネルディスカッションを行いました。
そこで、
なぜ動画共有サイトをプラットフォームとして選んだのか
なぜ彼らはTVなど昔からあるメディアへ移行する気がないのか
などについて、様々な意見が飛び交いました。


100万のチャンネル登録者数と、1か月350万ビューを記録するRachhLovesというYouTubeチャンネルを持つ、美人ビデオブロガーのRachel Cooperさんは、「純粋に楽しいから」という理由で7年前から動画を撮り始めました。

最初は消費財を扱う会社の広報を担当していたのですが、今はフルタイムのYouTuberとして働いていて、スキンケア商品を扱うOlayや、化粧品会社のCoverGirlと提携しています。

彼女は、「良いチャンスはいつやってくるかわからない」からYouTubeでの成功が自分をどこへ導くのか結局のところ今はわからない、と語っています。
しかし同時に、テレビに移行することは考えておらず、YouTubeでずっと頑張っていこうと思っているそうです。

その理由の一つは、YouTubeで自分のチャンネルを持つことによって、ファンと深くかかわることができ、等身大の自分でいられることです。

「わたしの婚約も、結婚も、2人の子供を持ったことも、ファンの人たちはすべて見てきました。
私の人生をともに歩いてきたように感じているんです。」

本当に、「好きなことで、生きていく」YouTuber

過去2年間で18万人ものチャンネル加入者を記録した、フランス語をしゃべるカナダのビデオブロガーPL Cloutierさんは、彼がチャンネルを始めたころから、マクドナルドやスイスエアラインなどのブランドと提携しています。

もともとテレビ業界での経験を持つ彼ですが、自分のYouTubeチャンネルを持つにあたって、気に入っていることは、とても私的な空間であり、手作り感があるところです。

時々、三脚がないときは本を積んでその上にカメラを置き、ホームセンターのHome Depotで買ったライトを、照明代わりにして撮影するそうです。
もし、コンテンツ製作費に100万ドル持っていたとしても、同じ方法でやりたいと思うんじゃないかな、と語っていました。

「すごく個人的にやっていきたいと思っています。
僕と、見てくれる人たちの間に何も存在しないような。私はTVをやってきたので、それとは全く違うやり方を見てきました。
チームとしてのやり方を。僕が大人数のカメラクルーに囲まれて撮影をするなんてナンセンスだと思うんです。」
と、Cloutierさんは語っています。

YouTubeに限らない、オンラインのクリエイターとして

また、デジタル・プロダクション会社CJ Creativeの共同社長Jocelyn Mercer氏も、プロダクション側ですが、もともとテレビ業界にいた方です。
彼女は今は、”How To Cake It with Yolanda Gampp“というYouTubeチャンネルの2人組のプロダクションチームの一員として働いています。このチャンネルはウェビー賞を受賞、160万人以上のチャンネル登録者をわずか1年で集めました。

彼女はこう語っています。
「もちろん私たちはテレビに戻るためにYouTubeチャンネルをやっているわけではありません。YouTubeだけでやっていこう、というのも違うと思います。みんなデジタルの世界でブランドを構築しているところだと思うのです。ちょうど良い言葉が思いつかないのですが、YouTubeはいうなればマザーシップ(母艦)みたいなものです。
なぜかというと、ほとんどの人は、主にYouTubeの広告収入で稼いでいるからです。でも、ご存知の通り、様々な形態のプラットフォームが他にもたくさんありますから。」